言の葉日記

ことばに関する様々な話題をわかりやすく取り上げます

日本語はひとりぼっちなのか?

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英語にはヨーロッパからインドにかけて多くの親戚の言語がありました。

それでは日本語の親戚はどこにいるのでしょうか。

残念ながら見つかっていません。

親戚同士の言葉は言語学の世界では「同系語」と表現します。日本語の同系語として科学的に証明されている言葉は現在のところないということなのです。

これまでにいろいろな言葉が日本語の同系語の候補として研究されてきました。お隣の韓国語(朝鮮語)を初め、アジア大陸のアルタイ語ツングース語、モンゴル語トルコ語など)、太平洋の島々で話されているポリネシア語、さらには南インドタミル語など。

それぞれ日本語との間に何らかの共通する点はあるものの、いずれも同系関係を決める決定打に欠ける状況です。

インド・ヨーロッパ語族と違い、日本語の周辺言語には古い言語資料が残っていないために過去に遡って同じ時代の姿を比較できないことが同系関係を証明できない一因ともいわれています。

最近では日本語の同系語に関する新たな説も出てきていないようです。親戚探しはあきらめムードになってしまったのでしょうか。

私は次のように想像しています。

古い時代のアジア大陸の何処かに日本語の祖先の言葉が存在していました。場所は西アジアから現在の中国にかけてでしょうか。もしかすると中東かもしれません。その地は古来より多くの民族が行きかい、新たな国が出来ては滅ぶ事を繰り返してきました。そうした中で日本語の祖先を話す人々のうち、一部が東に移動し、さらに海を渡って日本に上陸しました。残った人々は他の民族に征服され、殺されて滅亡したか、征服者に同化してしまった。逃亡した人たちもいたでしょうが逃亡先で現地に溶け込んでその痕跡はわからなくなってしまったでしょう。

ところで、本土の日本語と沖縄の言葉は言語学的にかなり距離があり、本来であれば別言語と呼んでも差し支えないほどです。ただ、ともに日本国内で使われているため、現在では沖縄の言葉は日本語の方言とされているのです。

もしも、琉球王国時代のように沖縄が独立国であれば独立言語の「琉球語」として扱われていたことでしょう。