母と子の絆が強い日本語
50音図をみてください。
「あ行」は「あいうえお(a、i、u、e、o )」の母音のみで構成されています。「か行」以降は一つの子音の後ろに一つの母音が結びつく形で出来ています。
例えば「か行」は子音の「k」に母音の「a、i、u、e、o」が結びついて「かきくけこ(ka、ki、ku、ke、ko)」になります。同じパターンが「わ行」まで続きます。
日本人にとっては当たり前すぎて何とも思わないでしょう。でもよく考えると面白いことです。
日本語の音は「母音」だけの場合と「子音+母音」の2つのパターンで成り立っています。その他のパターンは原則としてありません。日本人は「子音+母音」を音の単位として認識しているということです。
本来、子音と母音は別の音なのですが、日本語では分けることができません。か行の「か(ka)」は音声的には「k」と「a」に分けられるのですが、かな表記では「か」をさらに分けることは不可能です。つまり、「か」が日本人が音として認識できる最小の単位なのです。
また、日本語では一部の例外を除いて、子音だけでは音として成り立ちません。必ず母音が必要です。子供(子音)には必ず母親(母音)の付き添いが必要なのです。日本語では母と子の絆が非常に強く、誰にも切り離すことは出来ません。
英語の場合はまったく違います。
This is a penという文には4つの単語があります。音の組み合わせはThis「子音+母音+子音」、is「母音+子音」、a「母音」、pen「子音+母音+子音」と様々です。
streetという単語は日本人なら誰でも知っていると思ますが、「子音+子音+子音+母音+子音」の組み合わせで出来ています。子音が3つも続くなんて日本語の世界では想像もできませんね。
英語は子音が多い言葉です。日本語と違い子どもが親離れできているということでしょうか。それとも親が子離れできているということでしょうか。